力が弱くても空手は上達します
私はそれほど体が大きくなく、体格の差で組手でどうしても勝てないので空手では体が大きい者が有利だと思っておりました。
しかし、これまで達人と言われた人達が小柄な方が多く、その上『力はいらない』と話していることにとても興味が湧きました。
そこで浮かび上がってきたキーワードは『脱力』です。
私はこの脱力(だつりょく)することで力が出るという矛盾した話のとりこになるわけですが、そのきっかけを与えてくれたのは、10歳も年が若い、修業歴2年に満たない、3級の道場生でした。
実はわたし、自らの昇段審査においてこの選手にのばされるという苦い経験をしたのです。
この時点での私の修業歴は10年に達しており、キックボクシングの経験もあったことを付け加えておきます。
しかし当時の私は、走ることが嫌いでスタミナもありません。
おまけにウエイトトレーニングも一切しないため、普通の人よりパワーがあるわけでもありません。
同じ道場稽古にもかかわらず実力に大きな違いが現れるのはなぜなのか?
ということを考えました。
この疑問を解消することで、走りこむことなく、ウエイトトレーニングをすることなく、
おもしろいように実力がつきはじめたのです。
おかげでその後の成長スピードは他を圧倒するほど驚異的なものとなりました。